オートリーズってなに?
僕のお店ではほとんどのパンを「オートリーズ製法」で作っています。
そこでこの記事では

オートリーズって何?

どうやってやるの?

どんな効果があるの?
といったことについて解説していきたいなと思います。
はじめに、オートリーズとは
オートリーズとは、結論から言いますと
『全ての材料をいっぺんに混ぜるのではなく、先ずはじめに「小麦粉」と「水分」だけを混ぜて、15分から1時間ほど生地を寝かせる作業のこと』を言います。
(食パンや菓子パンなどソフト系のパンであれば「砂糖」もこの段階で加えておきます。)
ひと手間かかってしまったり、焼き上がりまでのトータル時間が長くなってしまうというデメリットはありますが、オートリーズを行うことで
- こねる時間を短くすることができる
- 生地の旨みを引き出すことができる
- 水分をたっぷり含んだパンを作ることができる
などのメリットがあります。
オートリーズの時間は生地によって違ったりします。
フランスパンの生地なんかは一晩オートリーズの時間をとって旨味を引き出しています。
具体的な作業の流れ
オートリーズを使ってパンを作る際は
という流れになります。
自家製酵母や天然酵母はいつ加える?
基本的には塩やイーストと同じタイミングで加えます。
ただし、手ごねの場合には液体状の酵母をあとで加えるのは難しいと思うので、先に加えておくのが良いかなと思います。
お店では「ブリオッシュ生地」を作る際などは自家製酵母は先に加えるようにしています。
これは自家製酵母が持つ乳酸菌を働かせることで卵臭さを和らげる狙いがあるためです。
オートリーズのメリットとは
もう少し掘り下げて説明させていただくと
オートリーズを行うことには
- 粉に水分が浸透していく時間を作ってあげる。(これを水和といいます。)
- 酵素が働く時間を作ってあげる。
という意味があります。
まず、①の「粉に水分が浸透していく時間を作ってあげる」には、
グルテンを自然と形成させる効果と水分を多めに含ませられるという効果があります。
これによってこねる時間を短縮することができますし、また水分を多く含ませたしっとりしたパンを作ることができます。
また、②の「酵素が働く時間を作ってあげる」には、
小麦の持つ酵素が生地中のでんぷんやタンパク質を分解してくれるという効果があります。
これによって生地の旨みや甘みを引き出すことができます。
酵素ってなに?
次に、酵素の働きについても簡単に説明できればと思います。
酵素とは、簡単にいうと「消化や吸収、代謝を手伝ってくれる物質のこと」です。
もっとざっくり簡単にいうと、「食べ物を分解する物質」のことです。
例えば、唾液に含まれる「アミラーゼ」などが酵素のひとつになります。
アミラーゼはデンプンを分解してブドウ糖に変える働きがあります。
酵素を働かせることで得られるメリット
酵素が働くことによって得られるメリットには
- パンの膨らみを良くする
- 「モルト」を入れる必要がなくなる
- 小麦本来の自然な「甘み」や「旨味」が増す
- 焼いたときに香ばしい色づきになる
- 食べたときの口溶けや消化が良くなる
などいろいろなものがあります。
ちなみに、オートリーズとはフランス語なのですが
日本語に訳すと「自己融解」という意味になります。
小麦自身が持つ酵素によって、自身のデンプンやタンパク質を分解するので
こういった名前が付けられたのかもしれませんね。
また、どうしてフランス語なのかというと
フランス人のレイモン・カルヴェルさんという方がはじめに開発され提唱したからになります。
どうして「塩」や「イースト」は後で加えるの?
それは、塩やイーストを加えることで
グルテンの発達を防いでしまったり、酵素の働きを弱めてしまうためです。
塩には、「グルテンを引き締める」「酵素の働きを遅くする」といった性質があるため
グルテンの発達や酵素の働きを良くしたいというオートリーズの働きにとって逆の効果となってしまいます。
またイーストを加えてしまうと、単純に発酵が進んでしまいますし、発酵によって生地の酸性度が高くなってしまうという点があります。
生地の酸性度が高くなってしまうと、生地が引き締められることでグルテンの発達を阻害してしまったり、酵素の働きを弱めてしまうことになるため、オートリーズ中の生地にとっては不向きになってしまいます。
まとめ
まとめると、オートリーズとは
はじめに「粉」と「水」だけを混ぜて15分ほど生地を寝かせる作業のことになります。
オートリーズのメリットには
- 生地のこね時間が短くなる
- 小麦本来の自然な甘みや旨味が増す
- 焼いたときの膨らみや色づきが良くなる
- モルトを入れる必要がなくなる
という点があります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
