小麦について

「ポストハーベスト」って知っていますか?〜僕が国産小麦を使う理由〜

ポストハーベストアイキャッチ

ポストハーベストとは

ポストハーベスト】とは、その名の通り収穫(ハーベスト)された後(ポスト)に、収穫物である果物や穀物、野菜に散布する農薬のことです。

そんなポストハーベスト農薬は、国内での使用は原則禁止されているため、主に問題となるのは外国産の農産物ということになります。

どうしてポストハーベストが必要なの?

どうして収穫された後にわざわざ農薬を使うのでしょうか?

海外から日本に向けて輸出される農産物は、輸送するルートによってはとても暖かいところを通るため、夏を越すのと似たような状況になることがあります。

そのため、そのような状況で輸送時間が長くかかると、輸送中に害虫やカビといったものが発生してしまう恐れがあります。

もしも、害虫やカビなどが発生してしまうと、品質が落ち、商品価値が下がってしまい、
最悪の場合、取り引きされないということになってしまいかねません。

また、万が一カビが発生したものを消費者が口にした場合、食中毒などを起こす危険性があります。

そのために、ポストハーベスト農薬が必要になるのです。

何が問題なの?

国が認めた農薬なんだから大丈夫なんじゃないの?というような疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思います。

この安心かどうかという問題に関しては、賛成と反対両方の意見があります。

もちろん、ポストハーベスト農薬が使われた農産物を食べたからといって、必ずしも身体に異常を来たすということではないと思います。

しかし、だからといって、事実を知らなくてもいいという訳ではなくて、
ちゃんと事実を知った上で、選択するということが必要だと思います。

ポストハーベスト農薬が問題視される理由

次のような理由で、ポストハーベスト農薬は問題視されています。

  • ポストハーベスト農薬は、通常畑で使われる農薬の100倍〜数100倍の濃度の農薬が使われている。
  • ポストハーベスト農薬は表面に付着するだけではなく、皮の中にまで浸透する危険性がある。(洗っても落としきれない。)
  • ポストハーベスト農薬の中には、発がん性などが疑われるものが存在する。
  • ポストハーベスト農薬によるアレルギー反応で、輸入農産物の大半を食べることができない人がいる。

ポストハーベスト農薬の残留の恐れがある輸入農産物

次に、ポストハーベスト農薬の残留の恐れがある海外からの輸入農産物を挙げます。

  • 小麦
  • 大豆
  • レモン
  • オレンジ
  • バナナ
  • さくらんぼ
  • ジャガイモ
  • かぼちゃ
  • ナッツ類

レモンの皮」を使用するお菓子や料理のレシピに、国産のレモンを使うように指示してあるのを見たことがある人もいるのではないかと思います。

これは、外国産のものだとポストハーベスト農薬の残留の恐れがあるためです。

日本でも小麦の保管のために「くん蒸剤」が使われている

日本では、原則使用禁止されているポストハーベスト農薬ですが、

貯蔵期間の長い穀物(小麦など)の害虫駆除のためにポストハーベスト農薬である「リン化アルミニウム」が使われています。

どうして日本でもポストハーベスト農薬が必要なのか?

どうして日本でもポストハーベスト農薬が必要になるのでしょう?

それは、小麦といった穀物は長期間保存されることが多く、
そのまま保存しておいた場合、夏の暖かい時期に虫等が発生してしまうためです。

パン屋でも

多くのパン屋では、そこで働く人の「手荒れ」や「くしゃみ」といったことが問題になっています。

そのため、小麦粉に直接触れないようにビニールの手袋を着用したり、
小麦粉を吸い込まないようマスクを着けて作業をする人が大半です。

毎日たくさんの小麦粉を扱うので、普通の人よりも小麦アレルギーにかかりやすいからです。

しかし、お店で扱っている小麦粉を【外国産】のものから【国産】のものに変えたときに、
働いている人の「手荒れ」や「くしゃみ」といった症状が軽くなった、もしくは無くなったという話をよく耳にします。

(これが、ポストハーベスト農薬が原因によるものなのかは証明されていませんが。)

まとめ

安心した食生活のためにできること

安心した食生活を送るために、次のようなことに気を付ければ良いかなと思います。

  • ポストハーベスト農薬の使用は、国内では原則的に禁止されているので、
    国産のもので、できれば住んでいる地域のものを、旬の時期に食べるよう心がける。
  • 外国産を買わなければならない時は、皮は使わないようにする。
  • 外国産の原料が使用された製品(ジャムなど)は避ける。

以上がポストハーベスト農薬の解説になります。

外国産の小麦は、国産の小麦に比べて、価格が安く、タンパク質の値も高いのでパンを作りやすいです。

しかし、外国産の小麦にはポストハーベストという農薬が使われています。
(場合によりますが、国産の小麦にも必要最低限のポストハーベスト農薬が使われています。)

安心してパン作りを楽しむためにも、できれば国産の材料を使っていただきたいなと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

参考にさせていただいたWebサイト

[sanko href=”https://www.jcpa.or.jp/qa/a2_07.html” title=”教えて!農薬Q&A” site=”農薬工業会”]

[sanko href=”http://www.agrisystem.co.jp/agrisystem/post.html” title=”ポストハーベスト” site=”アグリシステム株式会社”]

[sanko href=”https://www.akikawabokuen.com/fumufumus/11186/” title=”ポストハーベスト農薬って何?” site=”秋川牧園”]